不動産が相続税対策に有効?その仕組みや注意点を解説

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不動産が相続税対策に有効?その仕組みや注意点を解説

 

近年、突然降りかかる相続に際し、相続税が大きな負担となってしまうとお悩みの声をいただくことが多くなっています。

ただ、上手に不動産を活用すれば、逆に相続税対策にもなりますので、今回の記事ではなぜ不動産が相続税対策に有効なのか、その仕組みや注意点を解説していきます。

 

・なぜ不動産が相続税の対策になるのか?

そもそもなぜ不動産が相続税の対策になるのかというと、以下のような理由があります。

 

1.現金よりも評価額が下がるため

2.賃貸にすると評価額が下がるため

3.特例や控除が適用できるため

 

不動産は現金よりも評価額が低く設定されているため、仮に現金3,000万円で不動産を購入したとしても相続時の評価額は数十%ほど下がります。

 

例えば、土地であれば20%~30%ほど、建物であれば40%~70%ほど下がることが多いです。つまり、購入した当時は3,000万円の現金が必要だった場合でも、いざ相続時となると評価額は最低でも2,400万円まで下がりますし、これよりもさらに評価額が下がる場合もあるわけです。そのため、必然的に相続税対策となります。

 

また、不動産を賃貸にすれば評価額を下げることも可能です。例えば、マンションやアパートを賃貸物件とした場合は30%ほど評価額が下がります。そのため、現金で支払う本来の価値との差が生まれ、相続税も併せて下がるわけです。これも不動産が相続税対策に有効な理由となります。

 

その他、不動産は特例が適用できる範囲も広く、無数の控除が用意されています。それら特例や控除を活用すれば、大幅な相続税対策が可能になります。だからこそ、不動産そのものが相続税対策に繋がるわけです。

 

・不動産における相続税対策の方法

不動産における相続税対策は前述の通り、様々なアプローチの方法があります。例えば、代表的な相続税対策として活用されているのが、現金を不動産に変える方法と不動産を賃貸にする方法です。

 

現金を不動産に変えることで前述の通り土地で20%~30%、建物で40%~70%ほど評価額が下がります。これを活用すれば、現金をそのまま相続するよりも不動産に変えて相続した方が、課税される金額が低くなります。

 

また、不動産を賃貸にすることでさらに評価額が下がるため、ただ所有するのがもったいない場合は第三者に貸しましょう。場合によっては30%ほど評価額が下がるため、こちらも大幅な相続税対策となります。特に不動産は居住用なのか賃貸用なのかで評価額が大きく異なります。単に所有してランニングコストがかかるくらいなら、賃貸にするという選択肢も考えておくといいでしょう。

 

・財産を相続したときに利用できる制度がある

ちなみに、不動産をはじめとした財産を相続する際には、数多くの制度を利用できます。こちらを知っておくのと知らないのとでは数十万円~数百万円ほど課税対象が変わる場合もあるため、利用できる制度はすべて利用しましょう。以下、それらの制度を1つ1つ簡単にまとめます。

 

1.住宅資金贈与制度

住宅資金贈与制度とは、住宅を購入するための資金として贈与を行った場合に限り、最大で1,310万円まで非課税となる制度です。つまり、それを超えない金額であれば、税金がかかりません。住み替えなどを考えている方は、生前に贈与する形で住宅資金贈与制度を利用することをおすすめします。

 

2.配偶者贈与制度

配偶者贈与制度とは、住宅を購入する場合に限り最大2,000万円まで非課税となる制度です。この制度は配偶者のみという厳しい条件があるものの、居住用の住宅購入であれば大きな節税となります。もし、残された配偶者が新たに家を買うということであれば、配偶者贈与制度を利用すべきです。

 

3.小規模宅地等の特例

小規模宅地等の特例とは、相続人が土地を相続する際に利用できる特例です。この特例を利用することで330平米までの土地に対して評価額が80%ほど下がります。建物は含まれませんが、小規模宅地等の特例を利用するだけでも大幅な減税となります。

 

なお、逆に地籍規模の大きな宅地の場合も評価額を下げることが可能です。2018年以降に課税対象となった場合に限りますが、地積規模の大きな宅地を持っている場合は別途で減税できる可能性があるため、各市区町村の条件も併せて確認しておくことが大事です。

 

その他、土地関係の特例としては極端な土地の場合にも評価額を下げることが可能です。

例えば、極端に間口が狭い宅地や奥行きが長い宅地など、不整形地と呼ばれる土地によっては特例が利用できる場合もあります。かなり特殊な条件ではあるものの、該当する場合はさらなる減税が見込めます。

 

4.相次相続控除

相次相続控除とは、資産を相続してから10年以内に再度相続する場合に利用できる控除です。条件は2つあり、自身が二次相続人であること、もう1つが10年以内に2回目の相続を行うことです。1回目の相続で相続税を支払っている場合は2回目に控除となるため、条件次第では相次相続控除も活用したいところです。

 

5.相続時精算課税制度

相続時精算課税制度とは、簡単に言えば贈与時の納税を先送りにできる制度です。条件は60歳以上の祖父母が20歳以上の子や孫に贈与する場合のみとなります。条件自体は限られる制度ではあるものの、相続時精算課税制度は贈与が最大2,500万円まで非課税となります。そのため、条件さえ揃えば節税効果も大きくなります。

 

その一方、祖父母が亡くなって相続する際には、非課税となった分も含めて計算しなくてはなりません。あくまでも納税を先送りにするだけの制度なので、使いどころを考えておく必要があります。

 

・相続税対策のリスクや注意点・デメリット

前述のように相続税対策を行うと税負担が減るため、メリットは非常に多いのですが、デメリットがないわけではありません。

 

ここからはそんな相続税対策のリスクや注意点についてまとめます。簡単にまとめると以下、3つのリスクや注意点があります。

 

1.まとまった資金が必要

2.相続争いに発展する可能性がある

3.維持が大変

 

そもそも相続税対策で不動産を活用する場合、まとまった資金がどうしても必要となります。例えば、現金を不動産に変えて節税する場合も、賃貸にして節税する場合も、どちらも資金が必要です。それこそ足りない分は借金をしてまで補填するという方もいます。

しかし、それでは相続税対策をしようと思っていたのに本末転倒です。そのため、必ず余裕がある場合に節税できないかを検討した方がいいでしょう。

 

また、相続人が1人であれば良いのですが、配偶者の他に子や孫、さらには兄弟や親戚がいると相続争いに発展する恐れがあります。実際に遺産分割協議などにおいて、遺族の方の関係が破綻してしまう危険もあります。税金などお金に関することは特に人間関係を破壊しやすいため、専門家など第三者を交えて協議することをおすすめします。

 

その他、もしマンションやアパートなどの賃貸として誰かに貸す場合、当然ながらランニングコストがかかります。節税のためにやったことが逆に負担となっては意味がありません。

 

あくまでも自分たちの生活を壊さない範囲で相続税対策を行うことが重要です。

 

・困ったら不動産のプロにご相談を

相続税対策は今後の人生を左右することもあるため、きちんとした対策が必須です。その対策には不動産を活用するという方法があることを知っておくことはとても重要です。

 

しかし、一般の方では判断が難しいことも多く様々な制度があるため、まずは不動産会社に相談することをおすすめします。

 

1LCでは不動産を相続する際のお悩み相談以外にも、相続した物件や土地の活用法などお客様に沿ったご提案ができ、全国どこでも対応可能です。

まずはお電話やお問い合わせフォームから、お気軽にご相談ください。